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大林宣彦&FRIENDS「草の想い」解説、レビュー!

1980年代
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始めに

始めに

今日は大林宣彦&FRIENDS「草の想い」について解説、レビューを書いていきます。

背景知識、ジャンル

日本版パストラルを彩る象徴主義(サティ,ドビュッシー)

「草の想い」は大林宣彦監督『ふたり』(原作:赤川次郎)のテーマ曲になっています。大林宣彦は福永武彦などのマチネポエティークの作家を好み(福永『廃市』の映画化も手がけています)、また檀一雄など(檀一雄『花筐』の映画化があるほか「草の想い」の歌詞にも「花筐」のモチーフが見えます)日本浪曼派の作家流のシンボリズムを愛しました。

ふたり』が志向したのは、大林が愛したジョルジュ=サンド『愛の妖精』や福永武彦の諸作品のような、パストラルの日本版でした。三島由紀夫『潮騒』を思わせる幻想的なパストラルが展開されます。

そんな『ふたり』という日本版パストラルを彩る「草の想い」は、久石譲の手がけるピアノ=クラシックはドビュッシーやサティら象徴主義の作曲家を思わせる、センチメンタルで流離な調べで、幻想的なムードを演出します。

久石譲

 久石譲20歳の時にミニマル=ミュージックに出会い影響を受けテリー・ライリー、スティーヴ・ライヒ、フィリップ・グラスら代表的なミニマル・ミュージックの作曲家や、武満徹、三善晃ら日本の作曲家から影響を受けました。

 ミニマル=ミュージックは音の動きを抑え、パターン化された音型の反復が特徴ですが、本作のメロディにもそうしたストイックなリリシズムが通底します。

歌詞、メロディ

姉を想う歌詞

 本作は亡くなった姉に対して、妹が一個の個人として生きようとする決意を伝えようとする曲になっています。儚いムードの中にうかがえる、確かな決意が印象的です。

コメント

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