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来生たかお「セーラー服と機関銃」解説、レビュー

1980年代
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始めに

始めに

今日は来生たかお「セーラー服と機関銃」についてレビューを書いていきます。映画『セーラー服と機関銃』(監督:相米慎二,原作:赤川次郎)のテーマ曲です。

背景知識、ジャンル

相米慎二のアバンギャルドなジュヴナイルのテーマ

 相米慎二監督はイタリアのネオレアリズモ、フランスのヌーヴェルバーグの影響を受けたアバンギャルドなリアリズムが特徴です。正直、助監督で仕事をしていた黒沢清と比べると新古典主義者としてはイマイチで、なんというか村上龍(相米同様、『69 sixty nine』などジュヴナイルに卓越した手腕を見せる作家でもあります)のように才能だけで創作しているという印象であんまり好きではないですが、とはいえ天才肌なのも事実です。

 戦後児童文学は、『赤い鳥』風の理想主義から、戦後の自由主義的潮流の中でリアリズムを取り入れるようになります。性や非行といった主題も、ハリウッドニューシネマさながらに取り入れるようになりました。赤川次郎の原作もそうした流れの中にあります。相米慎二は原作のジュブナイル特有のインモラルで官能的なムードを巧みにフィルムに捉えています。薬師丸ひろ子演じるヒロインの性と暴力への不安と興奮を、「セーラー服と機関銃」は、愛する女の背中を見送る男のウェットなシャンソン風味の歌謡曲で彩ります。

 

歌詞、メロディ

性的欲求を歌い上げる内容

 艶やかなシャンソン風味のメロディで、男が女性に抱く性的欲求を、思春期の少女の抱く性への不安と興奮の象徴として描きます。スパイスガールズ「ワナビー」、新しい学校のリーダーズ「大人ブルー」を彷彿とします。

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