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堂島孝平「葛飾ラプソディ」解説レビュー

1990年代
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始めに

始めに

 堂島孝平「葛飾ラプソディ」について感想を書いていきたいと思います。アニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(原作:秋本治)のテーマ曲です。

ジャンル、背景知識

江戸文芸、久保田万太郎、松竹映画、小林信彦

 アニメ原作の「こち亀」は、東京下町を舞台とする人情喜劇で、江戸の文芸や久保田万太郎の理想主義的な下町の人情物語、松竹映画(山田洋次、森崎東)、小林信彦に代表されるような、下町の人情と情緒溢れる通人文化のモードを継承する作品になっています。それこそ小林信彦の『オヨヨ』シリーズのような、ディレッタントな情報のディテールが見どころで、趣味人の世界を描く作品としては卓越した内容になっています。

 そんな下町の情緒的世界を彩るこの曲はライトジャズ調のセンチメンタルでノスタルジックなムードで、作品を象徴する内容です。

坂本九のようなペーソスあるライトジャズ風味

 坂本九のようなライトジャズ調の曲調は、ノスタルジックかつペーソスある曲調で、「こち亀」の主人公・両津勘吉のエネルギッシュで強かなイメージとは異なります。

 カバー版「ヤム!ヤム!Version」の方が、両津が繰り広げるスラップスティックな笑いのイメージとは調和しています。

歌詞、メロディ

冴えない男のペーソス

 この曲は、冴えない下町男の心情を綴る曲です。よくよく歌詞を読んでみるとこの曲は、結構暗くペーソス溢れる内容でもあります。生へのエネルギーに満ちた両津のイメージとはやや対照的です。

 中川など、東京下町の風物を歌詞に盛り込んで叙情的に歌い上げています。

 

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